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思考が止まらない…そんなあなたに。モヤモヤした頭を静かに整える“瞑想のはじめ方”


考えすぎて眠れない夜に、何が起きているのか?

夜、ベッドに入って目を閉じた瞬間。

一日の終わりで、ようやく心と身体を休めたいタイミングなのに――


ふと、今日あった出来事が思い出されたり、

明日の予定が頭をよぎったり、

返せていないLINEのことが気になったり、

あの人との会話がなぜかリフレインしたり……。


頭の中が急に騒がしくなって、

まるで思考のスイッチが切れなくなってしまったかのように、

ぐるぐると止まらなくなることはありませんか?


「もう考えなくていいってわかってるのに、止まらない…」

「静かに眠りたいのに、頭の中だけが走り続けてる…」


そんなふうに感じて、

“どうして自分はこんなに考えすぎてしまうんだろう”と

自分を責めたくなったこともあるかもしれません。


でも、どうか安心してください。


これは、あなたの意志が弱いからでも、

努力が足りないからでもありません。


むしろ、それは 私たちの「脳の仕組み」そのもの によるものなのです。



デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?


私たち人間の脳は、実は「何もしない時間」こそ、もっとも活発に動いています。


たとえば――

ぼんやりお風呂に入っているとき

電車で窓の外を見ているとき

夜、ベッドに入って目を閉じたとき


そんな“ぼーっとしている”ように見える時間でも、

脳の中では、今日あったことの振り返りや、

人間関係のシミュレーション、

未来の心配ごとの予測、

過去の失敗の反芻(はんすう)など、

さまざまな“内なる会話”が途切れずに続いているのです。


こうした脳の状態は、「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network/DMN)」と呼ばれています。

これは、脳が“何かに集中していないとき”に自動的にオンになるネットワークです。


つまり、「考えごとをしてしまう」のは、脳の“初期設定”のようなもの。

誰にでも備わっている、非常に自然な状態なんですね。


でも、このDMNがずっと働き続けていると、どうなるでしょうか?


✅ 過去の失敗を繰り返し思い出して落ち込む

✅ 未来の心配ばかりが膨らんで不安になる

✅ あのときの一言が気になって眠れない

✅ やらなきゃいけないことが頭から離れない


――そんなふうに、自分で考えを止められなくなってしまう状態になります。

これが続くと、脳は休まることができず、

“情報過多”による慢性的な疲労や、

メンタルの不調につながってしまうこともあるのです。


このように、DMNが過剰に働いている状態では、

「ぼーっとしているのに、なぜか疲れる」

「何もしていないのに、気持ちが落ち着かない」

といった感覚に陥りやすくなります。


だからこそ、

私たちには“意識的に脳を休ませる時間”が必要なのです。


瞑想は、この“止まらない脳”に、そっとブレーキをかけてくれる存在です。


ただ静かに、今この瞬間の呼吸に意識を向ける――

それだけで、DMNの働きがやわらぎ、

脳は少しずつ「今ここ」へと戻っていきます。


瞑想は、決して特別な修行ではなく、

脳の自然な仕組みに沿った“リセットの方法”なんです。



瞑想=「無になること」ではない


「瞑想って、“無”にならなきゃいけないんですよね?」


こう聞かれること、実はとても多いです。

ですが、この「無にならなきゃいけない」というイメージこそが、

瞑想を“難しいもの”にしてしまう最大の誤解かもしれません。


たとえば、こんな声をよく耳にします。


「やってみたけど、全然“無”になれなかった」


「雑念ばかり浮かんできて、逆に疲れてしまった」


「気が散ってばかりで、自分には向いてないと感じた」


でも、これは当然のことなんです。


なぜなら――

人間の脳は、そもそも“無”にはなれない構造だからです。


思考が浮かぶのは、脳が生きている証拠です。

「呼吸している限り思考は出てくるもの」

それくらい自然で、止めようのないものなんですね。


ですから、最初から「無になろう」とがんばってしまうと、

逆に脳は緊張し、かえって思考が騒がしくなってしまうこともあります。


私が大切だと考えているのは、


「瞑想とは、“無になる”ことではなく、“今ここに戻ってくる練習”である」


という視点です。


たとえば、呼吸に意識を向けていたときに、

「あ、明日の予定どうしよう」と思考が浮かんだとします。


そのとき、


✖「ダメだ、また考えちゃった」

✖「集中できない私は向いてない」


――ではなく、


〇「今、予定のことを考えていたな」

〇「よし、また呼吸に戻ろう」


と、ただ気づいて、戻ってくる。

この「気づいて、戻る」という一連の流れこそが、瞑想の真髄なのです。


たとえるなら、瞑想は“思考の波に気づきながら、静かな岸に戻ってくるカヌー”のようなもの。

波(思考)はいつでもやってきます。でも、その波に飲まれる必要はありません。

気づいたら、静かな場所に戻ればいい。ただそれだけです。


この“戻ってくる”という動作を、何度も繰り返すことで、

思考との距離感が少しずつ育ち、

気づけば、心の中に「静けさのベース」ができていきます。


だからこそ、瞑想に必要なのは「うまくやること」ではなく、

何度でも“戻ってくる”ことを許す、やさしいまなざしなんです。


瞑想をはじめたばかりのときは、どうしても「成功」「失敗」で判断してしまいがちですが、瞑想には、テストも合否もありません。


ただ、気づいて、戻る。

その繰り返しが、あなたの内側に“整う感覚”を育ててくれます。




いちばん身近な“今ここ”への入口:呼吸


「今ここに戻ってくる練習」としての瞑想。


では、具体的に“何”に意識を向ければいいのでしょうか?


答えのひとつが――呼吸です。


呼吸は、いつでも、今ここにある


私たちは、1日に2万回以上、呼吸しています。

けれど、その大半を“無意識”に行っていますよね。


今、あなたはどんな呼吸をしていますか?

浅い?深い?胸でしてる?お腹?早い?ゆっくり?


こう尋ねられると、「あ、今、ちゃんと感じてなかったな」と気づく人も多いと思います。


実はこの「気づく」ということこそが、瞑想のはじまりなんです。


呼吸のすごいところは、いつでも、どこでも、誰にでもできるということ。


しかも、過去にも未来にも存在せず、

呼吸が起こっているのは――今この瞬間だけ。


だから、呼吸に意識を向けることは、

思考や感情にとらわれた自分を、「今」に連れ戻すための、

とても自然で確かな方法なんです。


息を吸う。息を吐く。ただ、それに気づく


瞑想と聞くと、「集中しなきゃ」と気負ってしまう人もいるかもしれません。

でも、最初は「ただ呼吸に気づくだけ」でOKです。


たとえば、こんなふうに。


吸っているとき…「今、息を吸っているな」と感じる


吐いているとき…「今、吐いているな」と感じる


もし考えごとが浮かんできたら…「あ、今、思考が浮かんだな」と気づき、また呼吸へ戻る


これを1分でも続けるだけで、思考の嵐からスッと距離がとれる感覚が芽生えてきます。



呼吸は“いまの自分”を映す鏡


面白いのは、呼吸って感情と直結しているということ。


不安なときは呼吸が浅く、早くなります。

イライラしているときは息が詰まり、

落ち着いているときは、深くゆったりと呼吸しています。


つまり、呼吸に意識を向けることは、

自分の“今の状態”に気づくための扉でもあるんですね。


まずは、1分でも。


「10分も20分も集中するのは無理…」

そんなふうに感じるなら、まずは1分からで大丈夫です。


スマホのタイマーを1分にセットして、

静かに座って、目を閉じて、呼吸に意識を向けてみてください。


それだけで、「ああ、さっきまでの思考の渦からちょっと離れられたな」と感じることがあります。


瞑想は、“完璧”を目指すものではありません。

戻ってくる場所を、自分の中にひとつ持つこと。

それが、頭と心を静かに整える第一歩なのです。



たった1分でも「瞑想」になる


「瞑想」と聞くと、

「お寺やヨガスタジオに行かないとできないのでは?」

「長時間じっと座らないと意味がないのでは?」

そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。


でも、実はまったくそんなことはありません。


瞑想に“特別な条件”はいらない


瞑想に必要なのは――

静かな部屋でも、正しい座り方でも、完璧な集中力でもないんです。


必要なのはたったひとつ。

「今の自分に、そっと気づく」こと。


それができた瞬間、もうそれは立派な“瞑想”です。


こんなタイミングでも「瞑想」になる


たとえば、こんな日常のワンシーン。


朝、目が覚めてベッドの中で1分。

 まだ起き上がる前に、呼吸を感じてみる。


仕事の合間、椅子に座って3分。

 パソコンを閉じて、目を閉じて、深呼吸してみる。


夜、布団に入って5分。

 今日1日をねぎらうように、呼吸とともに静かに自分に戻ってくる。


たったこれだけでも、心と頭に小さな“余白”が生まれます。


重要なのは、「何分やったか」より「気づいて戻れたか」


瞑想で一番大切なことは、

“気づいたら戻る”という動作です。


思考が浮かんできてもいい。


雑念があっても問題ない。


集中できなくても、何も失敗じゃない。


ただ気づいて、

「あ、いま呼吸から意識がそれてたな」と気づいて、

やさしく呼吸に戻ってくる。


このシンプルな動作を、何度でも繰り返すこと。

それだけで、あなたの中に少しずつ“整う力”が育っていきます。


「できた・できなかった」ではなく、「続ける・続けない」


瞑想に慣れていないと、

「今日はあまり集中できなかったな」

「呼吸に全然戻れなかったな」

そんなふうに思う日もあるでしょう。


でも、大丈夫。


瞑想はスポーツや勉強と同じで、

一度で劇的に変わるものではなく、日々の積み重ねが力になるものです。


だからこそ、最初は1分からでいい。

むしろ、それくらいの気軽さで始めたほうが、長く続きやすいんです。



忙しい日常の中に、“1分の余白”を


もし、心にモヤモヤやザワザワを感じたら、

そのたびに深呼吸をひとつしてみてください。


それだけで、

あなた自身に戻ってくる扉が、静かに開いていきます。


瞑想は、あなたの毎日の中に、

ほんの少しの“静けさ”を取り戻す習慣。


はじめの一歩は、たった1分でいいんです。



思考と「距離を取る」という新しい視点


瞑想の魅力のひとつは、「思考を止めようとしない」ことです。


私たちはふだん、イヤな考えや不安なイメージが頭に浮かんだとき、

「考えたくない」「忘れよう」「早く消したい」と、無意識のうちにそれを追い払おうとします。


でも、そうやって思考を無理に抑え込もうとすると、かえって強く意識されてしまい、

ますます頭の中に居座ってしまう…という経験、ありませんか?


実は、これは“心の抵抗”によって思考にエネルギーを与えてしまっている状態です。


瞑想は、そうした悪循環から抜け出すための、やさしいアプローチを教えてくれます。


それは、「思考に気づき、ただ観る」というシンプルな視点です。


たとえば、頭の中に「今日のあの会話、なんであんな言い方しちゃったんだろう…」という後悔がよぎったとき。

瞑想では、それを無理に消そうとはせず、


「今、自分は後悔の思考が浮かんでいることに気づいたな」


と、そっと観察します。


まるで、空に雲が流れていくように、ただその思考を見送りながら、

意識を静かに呼吸へと戻していくのです。


この「気づいて、戻る」という練習を重ねていくと、

思考に“飲み込まれる”のではなく、“距離を取る”という感覚が少しずつ育っていきます。


ここでいう「距離」とは、思考や感情を否定することではありません。


むしろ、「あってもいい」「そこにいても大丈夫」と受け入れたうえで、

必要以上に巻き込まれない“余白”を自分の内側に持てるようになる感覚です。


この余白が育ってくると、日常生活の中でも


・すぐにイライラして反応していた出来事に、少し落ち着いて対応できる

・不安が出てきたときにも、「そう感じている自分」に気づける


といった変化が、自然と起こるようになります。


つまり瞑想は、「思考を消す」のではなく、

「思考との関係性を変える」ための習慣なのです。


この新しい視点は、思考と感情の“嵐”の中にいるような日々に、

ひとときの静けさと、深い安心をもたらしてくれるはずです。



「整える」とは、付き合い方を変えること

瞑想は、「ネガティブな感情を消す」ためのものではありません。


不安や怒り、焦りや寂しさ――

そういった感情は、人生を生きていれば誰にでも訪れる自然なものです。

そして、それらが「ある」こと自体は、決して悪いことではありません。


私たちが苦しくなるのは、実はその感情そのものよりも、

「この感情をなくしたい」「こんな気持ちになってはいけない」と、

無意識に抵抗したり、押さえ込もうとしたときなのです。


例えば、イライラしたとき。

「こんなことでイライラしちゃダメだ」と感情を抑えようとすると、

そのイライラはむしろ強くなってしまうことがあります。

感情は、無理にフタをしようとすると逆に暴れ出す――そんな性質を持っています。


そこで、瞑想では少し違うアプローチをとります。


今、私はイライラしているな


少し胸のあたりがザワザワしている


思考もなんだか急いでいる感じがする


そんなふうに、「いま、自分の内側で何が起きているのか」に、

やさしく、静かに気づいてみるのです。


この「気づく」というプロセスは、感情を“変える”ためのものではありません。

むしろ、「変えようとしないことで、自然と変化が起きる」――

そんな逆説的な力が、ここにはあります。


怒りも、不安も、焦りも、気づかれることで初めて“落ち着く場所”を見つけるのです。


つまり、瞑想とは

「感情をなくすこと」ではなく、

「感情との付き合い方を変えること」。


それは、たとえるなら

感情を敵だと思っていたところから、

“ちょっと距離を取って隣に座る”くらいのイメージです。


そこにあることは否定せず、

でも、必要以上に振り回されないように。

この関わり方の変化こそが、心を整えることにつながっていくのです。


そして結果的に、気づけば――

心の波は少しずつ穏やかになり、

思考も静かに、落ち着いていきます。


けれどそれは、「何も感じなくなる」ことではありません。

むしろ、感情に対する“しなやかさ”や“余白”のようなものが生まれ、

私たちはより自然体で、穏やかに日常を過ごせるようになるのです。---




小さな一歩から始めてみませんか?


ここまで読んでくださったあなたは、きっと今、

頭の中が少し疲れているのかもしれません。


でも、それはあなたが“頑張ってきた証”です。

何かをよくしようとして、必死に考えてきた時間。


どうか、まずはその自分にやさしさを向けてあげてください。


そして今日から、1日1分でもいい。


「今、自分はどんな呼吸をしているだろう?」


そう問いかけてみてください。


瞑想は、「できる・できない」ではなく、

「続ける・続けない」です。


あなたのペースで、ゆっくりでかまいません。




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